Introduction
Today, we introduce a new special section on our blog, called Actor’s Influence or in Japanese 俳優の影響. In this section we aim to introduce Japanese actors in a similar way as we introduce Japanese directors. While we only ask directors about movies that influenced them and they would recommend, we ask in Actor’s influence an additional question: which actors or actresses influenced them as an actor.
For our first article, for our very first Actor’s influence, the immensely prolific actor Yohta Kawase, known from narratives as The Glamorous Life of Sachiko Hanai (2003), The Name (2018) and Being Natural (2018) shares his influences with us. He offers us a tremendously interesting insight in which actors and which movies made him the actor he is today and the actor he is in the process of his becoming.
Be sure to visit his website as well: http://yohta.jp/.
俳優の影響
俳優
役所広司, 松田優作, 浅野忠信, 勝新太郎, 市川雷蔵, Matthew McConaughey, Jeff Bridges, Warren Oates, Roy Scheider, Seol Kyung Gu.
役所さんは現在の日本映画で最高峰の俳優だと思います。浅野さんは日本人があまり得意でないナチュラルな芝居をまるで簡単なものの様にこなしてしまう天性の資質を持った方です。勝さんの凄さはお兄さんの若山富三郎さんもそうですが日本の伝統的な芸能の血を引きながらそれを現在へ更新する芝居を確立した事と、スタントマン的ではない、芝居としてのアクションを作り上げました。市川さんは説明するのが難しいところがあります。なんというかその佇まいがもう既にスターであり、演技がうまいとか下手だとかそういった事を超越した存在だと思っています。
McConaugheyさんはマッチョなイメージではあるのですがそのルックスを生かしてギャップのある繊細な芝居をやる方だなと。Bridgesさんが芝居が上手いのは当然ですが、その長いキャリアの中、自らの年齢と寄り添うようにスクリプト選びをして常に新鮮な存在であるように思います。Oatesさんは、失礼ですが子供の頃に「こんなブサイクな俳優がいるのか」と思ったものですが(笑)、逆に美男美女ではない、市井に生きている男の格好良さを教えてくれました。Scheiderさんは『JAWS』で知ってから『ALL THAT JAZZ』を観てそのキャラクターの豹変ぶりに「役者というお仕事は面白いんだ」と気づかせてくれたひとりです。Seol Kyung Guさんは『OASIS』を観てからとても尊敬しています。自分は「役に入る」というより一生懸命自分に役を引き寄せるタイプなので自分とは逆のアプローチが出来る人が気になるのです。
女優さんは難しいです。 スキップさせてください。
映画
Blade Runner (1982) [Ridley Scott]
子供の頃に観たから余計に頭を吹き飛ばされました。如何にして人は限りある生を生きていくべきかを考えさせられました。
幕末太陽傳/Sun in the Last Days of the Shogunate (1957) [川島雄三/Yūzō Kawashima]
川島雄三のぶっきらぼうな諦念とやけっぱちの爆発した素晴らしい傑作。
股旅/The Wanderers (1973) [Kon Ichikawa]
市川崑の中でもこの作品が一番好きです。どん底で生きていてもその姿は美しい。
JAWS (1975) [Steven Spielberg]
生まれて始めて映画で驚き、恐怖し、高揚した作品です。
Dead Ringers (1981) [David Cronenberg]
Cronenberg作品は常に人間という存在の不可思議さを問いかけてくるので好きです。ジャンルはきっとホラーに分けられてしまいますが自分にとっては本来一つであった心が引き裂かれた人間の、ある種の悲恋物として認識しています。
The Ninth Configuration (1980) [William Peter Blatty]
あまり知られていない作品ですがオールタイム・ベストの一本には必ず入ります。William Peter Blattyの小説も好きなのですが、監督としても一級の冴えをみせると思っています。
CHARISMA (2000) [Kiyoshi Kurosawa]
黒沢清も大好きな作家ですが中でもこれは一番です。破綻を恐れない物語作りに敬意を表します。低予算でこの世界全体を問う力技に感動しました。
Apocalypse Now (1980) [Francis Ford Coppola]
いい作品か悪い作品かで議論されがちですが、自分にとっては初めて「地獄」というものを体感させて貰った一作です。
Killer Joe (2011) [William Friedkin]
戯曲の映画化という事なのですが、うまく映画としてまとまっているし、なにより俳優の芝居と演出のアンサンブルが素晴らしい。
A.I. (2001) [Steven Spielberg]
酷評の多い作品ですが、偏愛する一本。ビッグバジェットの上にKubrickの遺稿などという高いハードルにこんな大胆な作りで、なおかつエンターテインメントとして成立させようと挑んだSpielbergはやっぱり僕のヒーローです。
他にもEastwoodやEdward Yang、Pedro Costaなどなど、素晴らしい作家、好きな映画は沢山あるのですが特徴の強い作品にしました。