映画監督との話し合い: Takeuchi Yosuke [日本語]

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“しかし彼らと接すれば接するほど、障害というものが個性の一部だと思うようになってくるような気がします。なぜならば、彼らから大きな力を得ることがとても多いからです。”

Today, we present our first interview of 2018. Our guest is Takeuchi Yosuke, one of the most promising directors in the human interest genre. His first cinematographical narrative, The Sower/「種をまく人」(2016) (English review/日本語のレビュー), amazed us with the clarity by which it framed the ravage of the impossible lie and to fundamental importance of acknowledgment of the ‘truth’ for mental well-being.

In this interview we explore Takeuchi’s interest in Van Gogh, his ideas on children with disabilities in contemporary Japanese society, his studies in Paris, and so much more. (The English translation will follow in the coming months)

インタビュー

Psycho-Cinematography: 映画監督になった経緯を教えてください

Takeuchi Yosuke: もともと私は絵を描く仕事に就きたかったのです。ただ幼い頃から映画が好きで、絵と両方できる道を探っていました。結局両方ともまだ仕事にはなっていませんが、現在も映画と絵画の両方を並行してやっています。

P.C.: この物語のアイデアをいつ、どのように得たか説明してくれますか?

T.Y.:
フランスで一年間絵を描きに行っていたことがあるのですが、その時偶然にもゴッホの本物の絵に遭遇しました。私はその時の衝撃を忘れられず、その後「ゴッホの書簡集」を読み、彼が絵を描いた場所を訪れ、徐々に彼の人生に興味を持ち始めました。その後日本に帰国し、映画を学び始め、初長編映画を作ろうと決めたとき、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの人生を現代日本に置き換えて話を作りたいという想いが湧いてきたのです。

P.C.: ヴァン・ゴッホの人生と絵はこの映画のストーリーにインスピレーションを与えました。あなたはゴッホのどのような部分に興味を持っていたのでしょうか?

T.Y.: ヴァン・ゴッホは生きている間、弟夫婦やわずかな友人以外に受け入れられず、狂人のように扱われていました。 彼の絵も結局死後にしか受け入れられず、苦しみに満ちた人生を送ったのです。そんな彼がもし現在の日本社会に存在し、絵画という手段を持っていなかったらどうしただろうかと考えたとき、私は自分自身の過去を振り返りました。私の周囲には幼い頃から障害をもった親戚が数多くいて、自分自身も心に大きな障害を持っていた時期がありました。しかし、それが逆に大きな後押しとなり様々な経験をすることになりました。そして東日本大震災が起き、その翌年にダウン症の姪が生まれ、彼女の成長する姿を目の前にして障害とは一体何なのかということを考え始めたのです。これらのモチーフが重なり合って、『種をまく人』の話が出来上がっていきました。

P.C.: パリでの絵画の研究は、あなたの映画での撮影やシーンを演出する上でどんな影響を与えましたか?

T.Y.:何かを見るという点で絵画と映画は非常に似ています。何かを描く時、私たちはその対象をとても慎重に観察し、その対象の奥の部分も見る努力をします。対象を見てそれを描くことは、カメラの前の人間を見つめて、演出することとよく似ています。同じ対象を凝視すればするほど、微妙な変化や差異に気づくのです。絵を描き続けたことで、カメラの前に立つ役者の演技の微妙な違和感や感情の変化の流れを感じる感覚が養われたのではないかと思います。見るということは、きっと他の職業や人生においてもとても重要なことなのではないでしょうか。

P.C.: 子供がこの映画の物語の中心ですが、一般に子供たちと一緒に撮影するとき、特にダウン症を患っている竹内一花さんと一緒に撮影するときの課題は何でしたか?どうやって彼らと撮影したのでしょうか?

T.Y.:子供を演出する時なるべく演技をさせないことが重要で、特に最近のプロの子役たちは、撮影前に映画のキャラクターの役を作り込んで来てしまいます。今回、主人公の竹中涼乃ちゃんには、事前にシナリオを渡さずに、現場でその場その場のシチュエーションを説明していきました。そのやり方で映画を撮っている監督はたまにいるようですが、その為には撮影をシナリオの順番通りに撮る必要あります。結果、撮影日数が増えますので、予算が限られた中でこの方法を取ることはとても難しいです。しかし、どうしてもそこは譲れなかったので何とかほぼ順撮りで撮影を行うことができました。おかげで彼女からリアルな感情を引き出すことに成功し、周りの大人の役者たちにも良い影響を及ぼしたと思います。ダウン症の姪に関しては、演出はほぼ不可能でした。彼女を映画に導くには、スッタフを含めた周りの役者たち全員の協力が必要でした。きっと彼女は、周りの大人や竹中涼乃ちゃんたちを実際の家族のように感じ始めていたのではないでしょうか。そんな純粋なダウン症の姪に、逆に導かれるように、周りの役者たちも映画の物語の世界に入り込んで行ったのではないでしょうか。

P.C.: 「種をまく人」の物語は、障害のある子供を失う前と、その後の家族の関係を、心理的に探究しています。まず、日本の社会では障害をもつ子供たちをどのように見ていると思いますか?また彼らの家族はどのように彼らと接していますか?

T.Y.: 
東京に住んでいると周囲に障害者を身近に感じる機会は多くありません。ある地域や施設に行けば、そういった人たちをよく見かける機会はあるのですが、一般的には社会からは距離を置かれています。特にそういった人たちと接したことがない人たちは、彼らが普通でないという先入観からか、彼らに接することを恐れるのです。それは仕方がないことで、相手が何を考えているか理解できない時や意思が通じない時などに、人は恐怖を覚えたりすることがあります。しかし、実際、障害者の人たちと接する機会が多い人や、家族にそういう人がいると、彼らが一人の個性ある人間のように見えてきます。もちろん、一般的に普通と言われる人々と比べると、当たり前のことや会話ができなかったりすることもあるので、簡単に個性とみなすことに反論する人たちもいるでしょう。しかし彼らと接すれば接するほど、障害というものが個性の一部だと思うようになってくるような気がします。なぜならば、彼らから大きな力を得ることがとても多いからです。

P.C.: 「種をまく人」の物語には、責任、保護、罪悪感、嘘をつくことで背負う重荷、真実の重要性というテーマがあります。 イツキの死の責任を感じている光雄は、知恵を救うために嘘をつく。しかし真実を言えないことで知恵は苦しみます。これらのテーマを探求して、あなたは個人的に何を表現したかったのですか?

T.Y.:先ほどの障害と個性についての話とつながることですが、私はこの映画を通して個性とは何かということを表現したかったのです。あの状況での光雄の行動は自然なことで、愛するイツキを死なせてしまった責任を強く感じている光雄は、もう一人の愛する姪・知恵の苦しみをとてもよく理解している人物です。社会的に見ても、光雄には監督責任があったし、あの様に罪を被ることでしか償うことができないと思ったのは当然です。その結果、知恵を追い込むかたちにはなってしまったのですが、イツキの死に対して知恵に責任があるという気持ちは光雄には微塵もなかったでしょう。彼の行動は嘘ではなく、真実なのです。イツキの死後、知恵やその家族の為に何ができるのかという純粋な想いだけが、彼のその後の行動を決定づけていったのです。

P.C.: 映画を制作する目的は何ですか?

T.Y.:映画でしか知ることのできないことが多くあるように思えます。それは知識だけに関わらず、自分の人生とは違う人生を見つめることで、また自分の人生を省みることができる。そういった意味で映画は良い媒体なのではないでしょうか。しかし私にとって映画は絵画や音楽、文学などと同じ表現方法の一つであり、より分かりやすいかたちで世界を体感できる表現の方法を選択しただけに過ぎません。私の映画が多くの人にとって未知の感情を知るきっかけになれば良いと思っています。

P.C.: 日本映画の現状では、インディー・ディレクターが映画製作に必要な予算を集めることは難しいと思います。あなたとあなたのチームは、今回のプロジェクトにおいて直面したそれらの課題をどのように解決しましたか?

T.Y.: 今回の映画の資金は、過去に書いた長編シナリオの賞金や自分の絵画を売って用意しました。その為、超低予算の完全な自主映画です。結果、最終的な仕上げで資金が尽きてしまい現在は配給の為の資金を貯めている最中です。クラウドファンディングという方法もあったのですが、今回の映画には何のしがらみもなく、自分のやりたいことをやろうという気持ちが強く、そういった手段は取りませんでした。しかし、このような方法でもう一度撮るには、また長い年月が必要になるので、もっと良い方法を見つけなくてはならないでしょう。

P.C.: どの映画監督・画家からインスピレーションをもらっていますか?

T.Y.: ゴッホ以外の画家で言うと、やはりジャン・フランソワ・ミレーという画家の影響は受けていると思います。ご存知のように、『種をまく人』というタイトルはミレーの有名な絵から取っています。
好きな

 

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